行動主義 レム・コールハースドキュメント
| 行動主義—レム・コールハースドキュメント 瀧口 範子 by G-Tools |
今年読んで面白かった本。
OMAというチームを率いて世界中でプロジェクトをすすめるカリスマ建築家レム・コールハースを追い掛けたドキュメンタリー本。とにかくすごいエネルギーが伝わってくる。
本の中で著者が「スタッフを率いて設計事務所を経営するというのは、ボスにはかなわないと思わせる何らかの優位性がないと成り立たないものではないか。コールハースのように圧倒的に知的に優れている、そうでなければ圧倒的にスケッチがうまい、圧倒的な構想力がある、仕事を取る手腕が圧倒的にすごい、などなど。もしそのような圧倒的能力に恵まれていない場合は、才能あるスタッフに気分良く働いてもらう社内潤滑剤としての圧倒的才能をもち合わせてなければならないだろう、たぶん。」というのはスケールの違いこそあれどんな会社にもあてはまるのでは、というか、そういうボスのもとで働らいていきたいと納得。
またコールハースは様々な分野の人間を巻き込んでプロジェクトをすすめ、それらをまるで作曲家のようにまとめたり組み合わせたりし、どんな小さなプロセスにも関わって自ら最終決定を下していく。長年彼と組んで仕事をしてきたペトラ・ブレーゼ(デザイン事務所「INSIDE OUTSIDE」主宰。インテリア、ランドスケープ、展覧会デザインなど手掛ける)曰く、「コールハースはわれわれの職能に疑問を投げかけます。それは疑いをもっているからではありません。彼との共同作業においては、自分の職能が到達できるぎりぎりのところを試されるということです。それはまた、自分の領域の知識をもっとも魅惑的なプロジェクトに投入できる自由があたえられることでもあります。だからOMAと仕事をすればするほど、自分の仕事が何であるかが明解にわかり、豊かなものが生み出せるようになる。(中略)もっと自由になり、もっと自分の職業に挑戦し、いろいろな領域の違いや境界線を超えられるようになる。」・・・とても刺激的な環境です。
なにより読んでてコールハースの超人的な日常(?)に脱帽。でもそんな話に巻き込まれ、今年の始めくらいに一気読み。分野が違うからかもしれないけど最近改めて読んでやっぱりおもしろい、と。いろいろな角度からの視点を必要とし、常に新陳代謝をくり返していくのは建築に限らずだと思うので、結構どの分野のひとにもおすすめしたい本です。
レム・コールハース 建築家・思想家・脚本家。
1975年OMA(Office for Metropolitam Architecture)設立。文化施設クンストハル、ボルドーの家、シアトル公立図書館、ニューヨークのプラダなど様々な規模のプロジェクトを手掛ける。1995年にハーバード大学教授に就任。2000年リサーチ組織AMO設立。巨大プロジェクトである中国のCCTVが2008年竣工予定。
マンハッタンの成り立ちをゴーストライターとして解き明かしたデビュー作
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