ブラジルの怪物 オスカー・ニーマイヤー
オスカー・ニーマイヤーのDVDを見た。 オスカー・ニーマイヤーについては、これまで、名前と建築界の大御所であること、UFOみたいな建物1つしか知らなかった。が、巨匠というより怪物なんだなぁと思いました。生きる情熱のはけ口がたまたま建築だった、みたいな印象。彼は1907年生まれのブラジル人で、50年代から戦後ブラジル国家の夢を背負って、首都ブラジリアの建設に携わっている。砂漠の中にいきなり都市をつくったというアレ。しかし、ブラジルという国は1964年に軍事政権が樹立し、以後20年ほど政治的に激動の時代を迎えている。その間、オスカーは彫刻という表現を使って反政府運動を起こし、警察による弾圧を受け、フランスに亡命までしている。情熱の量が半端じゃない感じ...。最近でいうと、同じくブラジル人のデザインユニット、カンパーナ兄弟も「軍事政権下の祖国への愛憎が創造活動を始めたエネルギーになっていた」みたいな話をしていた気がする(AXIS 2006年4月号)。
今、日本で革命なんかが起こったら、アーティストやデザイナーはそういう手段を抗議に使ったりするんだろうか。使うというより、そういう才能に長けてしまっている人はもうその手段しか「選べない」というのが正しいのかもしれないけど。天才、というのかもしれない。坂本龍一氏とかはそっち側の人とみた。
DVDの中でオスカー・ニーマイヤーは何度も、白い壁に黒いフェルトペンでひゅるひゅるっとスケッチを描く。自分の建築や構想を説明するために。その線がとてもよかった。「構造そのものが美しくなければ」とか建築家らしい印象に残る言葉もたくさん言っていたけど、一番心に残るのはやっぱりそのやわらかいスケッチかもしれない。亡くなったというニュースは聞かないので今年99歳(!)。まだまだ長生きしてほしい。
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